RaSCSI ダイレクトリンクシールド

仮置き

 

 

特殊用途向け・内蔵用共通

ターミネーターについて

SCSIバスの両端にターミネーターが必要と言うのは知っている方も多いかと思いますが、SCSI機のX68000は次のようになっています

HDD内蔵じゃないSCSI機

外部SCSIコネクタ基板にターミネーター(集合抵抗)が取り付けられています。青色のゲジゲジが集合抵抗(220/330Ω)です

 

HDD内蔵のSCSI機(フロントのX68000のロゴのところに “HD” とあるモデル)

内蔵HDD上にターミネーターも一緒に実装されています。外部SCSIコネクタ基板にはターミネーターがありません。この場合SCSIバスの「両端」ではなく「片端」にしかターミネータが存在しない事になりますが、まあ純正が最初からそういう構成なので大丈夫でしょう。

X68000のSCSIモデルは、SCSIバス上に最低1箇所はターミネータが存在しないと起動すらしません(電源を入れても画面に何も出ないままフリーズします)よって、現状でX68000がちゃんと起動するなら、最低でもどこかに1箇所はターミネータが存在している事になります

 

本題です。当方が配布しているシールドにはターミネータはソケットのみ実装で、集合抵抗は付いていません。ターミネータが不要なケースがほとんどと思われたので価格を抑えるための判断ですが、唯一問題になりそうなのは

中古のHDD内蔵モデルを購入したが、データ破棄のため内蔵HDDは取り外されていた

と言う場合です。この場合外部SCSIコネクタ基板上にターミネータはなく、かつ内蔵HDDに直接実装されていたターミネータも取り外されているので、そのままではSCSIバス上にターミネータが存在しません。(なおこの場合、そもそもそのままではX68000が起動しないと思われます)

外部SCSIコネクタ基板にターミネータ用のソケットは存在するので「9素子11ピンの220/330Ω集合抵抗」を別途入手して差し込めばOKですが、この集合抵抗は全然売ってません。

 

9素子10ピンの220Ω集合抵抗2つと、同じく9素子10ピンの330Ω集合抵抗を2つ、シールドの空きソケットに挿すことでシールド上のターミネーターを有効に出来ます(※内蔵モデルの場合のみ)

ターミネーターでお困りの場合はメール・コメント等でご相談頂ければ実費+送料でお分け出来るかもしれませんのでご連絡下さい。

 

SASI 機

なおSASI機の場合はHDD内蔵モデルか否かに関係なく、コントロール基板上(底基板上)にターミネータ用の集合抵抗が直接実装されていたと思います。なのでSASI機で使う場合は通常はターミネーター不要、と思っていますがSASI機持ってないのでどなたか情報お待ちしています…

 

 

特殊用途向けについて

シールド上のmicroUSBコネクタについて

シールドにmicroUSBコネクタが実装されていますが、これはRaspberry Piへの給電専用コネクタです。

Raspberry Pi のmicroUSBコネクタ経由で給電しても全く問題ありませんが、シールド上の microUSBコネクタは X68000 のフロントスイッチ ON/OFFと連動しています1

なお シールドのmicroUSBから電源供給した場合は X68000 の電源がOFFになると同時に Raspberry Piへの電源供給もカットされますので、基本的にはRaSCSIはベアメタル版をお使い下さい (ベアメタル版ではない、通常版のRaSCSIについてはちゃんとOSコマンドでRaspberryPiをshutdownさせる必要があります。)

なお、本シールドをSASI端子に繋いだ場合はシールド上のmicroUSB端子は使用できません。SASI端子に繋いだ場合はRaspberry PiのUSB端子から給電して下さい。

 

電源連動の補足

厳密にはSCSIバスのTermPowerと連動しています。なのでTermPowerが無いSASIポートでは連動ON/OFFが効きません(常にOFFになります)

また動作保証対象外ですが、フルピッチSCSI HDDケースなどを使って

X68000 ──── 外付けSCSI機器 ──── 本シールド

のように接続した場合は、X68000と外付けSCSI機器のどちらかの電源がONになるとシールド上のmicroUSB端子もONになりますのでご注意下さい。

 

 

内蔵用について

ジャンパスイッチについて

内蔵用シールドにはジャンパスイッチがあります。環境に応じて以下のように設定して下さい。(2mmピッチの小さいジャンパのためジャンパーピンの紛失にご注意下さい)

 

 

RaspPiコネクタに近い方がJP1、SCSIコネクタに近い方がJP2です。

 

JP1:LEDの点灯設定

LEDを吐き出しで点灯(Hiの出力で点灯)とするか、吸い込みで点灯(Loの出力で点灯)とするかを設定します

1-2 をショート:吐き出しで点灯  (ACE、EXPERT等 SASI機はこちら)
2-3 をショート:吸い込みで点灯  (SUPER、XVI等 SCSI機はこちら)

注意
SCSI機においては絶対に 1-2 ショートとしないで下さい。

 

JP2:LED制御信号の50ピンコネクタ接続設定

Raspberry PiのGPIOから出ているLED制御信号をSCSI 50ピンコネクタに接続するか、切り離すかを設定します。よって26ピンモデルのシールドの場合は本設定は特に意味を持ちません。

1-2 をショート:LED制御信号をSCSI 50ピンコネクタの34ピンに繋ぎます
2-3 をショート:LED制御信号はSCSI 50ピンコネクタに繋ぎません

SCSI 50ピンコネクタの34ピンがLEDアクセスとなっているのはSHARPの独自規格で、通常は34ピンは未使用です。純正の内蔵ケーブルを使用している場合はJP2の 1-2 をショートすることで本体のHDD BUSY LEDが点灯します。自作の内蔵ケーブルを使用したり、市販のHDDケースの内部に組み込むような場合は安全の為に JP2の 2-3 をショートして SCSIコネクタとLED制御信号を切り離して下さい。

 

 

空きパターンへのコネクタ後付に付いての注意

50ピンモデルの場合は26ピンコネクタ用のパターンが、26ピンモデルの場合は50ピンコネクタ用のパターンが未実装として空いています。初期の基板は50ピンコネクタと26ピンコネクタを両方取り付ける事が出来ましたが、現在使用している基板はコネクタを両方取り付ける事は出来ませんのでご注意下さい。

50ピンモデルにおいてL型コネクタを実装した際にコネクタ端が基板端とツライチとなるように50ピンコネクタ位置をすこし基板エッジ側にずらしています。そのため26ピンコネクタとのクリアランスが取れなくなってどちらか片方のコネクタしか実装出来ません

新基板にL型コネクタを組み合わせるとこんな感じです。旧基板だとこのL型コネクタを実装した場合にもうちょっと後ろの位置になっていました。

新基板+L型コネクタなら「xxピン→50ピン変換基板」のたぐいも問題なく使用できると思います(※試していませんが)

 

 

20ピン⇔26ピン変換アダプタについて

アダプタをシールドの26ピンソケットに接続する際、左右に1ピンずれて挿すことが出来てしまいますのでずれる事の無いようご注意下さい。

 

 

ダウンロード

RaSCSI本体のダウンロード

 

BSD 3-Clause License とのことですので、僭越ながらこちらでもオリジナルの状態で再配布させて頂きます。利用に際してはアーカイブのLICENSEを必ずご確認下さい。このような有益なプロダクトを作成&公開頂きましたことに感謝いたします。

BSD 3-Clause License
Copyright (C) 2001-2006 PI.
Copyright (C) 2014-2021 GIMONS
All rights reserved.

 

作者様のページがなぜか閲覧できないので暫定でInternet Archivesへのリンクを貼っておきます。

通常版
https://web.archive.org/web/20211219205857/http://retropc.net/gimons/rascsi/index.html

ベアメタル版
https://web.archive.org/web/20220507192902/http://retropc.net/gimons/rascsi_bm/index.html

 

回路図

ダイレクトリンクシールドなので回路図と言えるような回路はありません。SCSI端子とRaspberryPiのGPIOを直結しています。

本家サイトから引用させて頂きました

 

動作確認

すべてのシールドは発送前に以下の環境で動作確認を行っています

X68000 SUPER 無改造
Sansidk industrial microSDカード 8GB
Raspberry Pi zero W
HDDインストールした餓狼伝説SPECIALのデモを30分間プレイ

Raspberry Piについては以下のモデルで動作する事を確認しています

Raspberry Pi zero
Raspberry Pi Zero W
Raspberry Pi 3B
Raspberry Pi 3A+

 

その他

参考) X68030 コントロール基板のSCSIコネクタ

上図では見切れてますが4pinがLEDです

※ X68030 Inside/Out 付録の回路図より引用

 

参考) 特殊版の寸法図

 

 

 

  1. 厳密にはSCSIバスのTermPowerと連動しています。後述 []

5 thoughts on “RaSCSI ダイレクトリンクシールド

  1. fes 投稿作成者

    すいません、後でちゃんと本ページに記載しますが取り急ぎ。

    4ピンペリフェラル電源コネクタの近くにある3ピンのジャンパはターミネータ用集合抵抗に5Vを供給するか3V(正確には2.85V)を供給するかの設定ですが

    ・そもそも発送時はターミネータ用集合抵抗が載っていない
    ・アクティブターミネータ用に2.85Vを生成する回路も部品未実装

    ということもあって完全に無視して頂いて結構です。
    将来的に220/330Ωの集合抵抗を空きソケットに実装するようなことがあった場合は、ジャンパの5Vと真ん中のピンをショートしてください。

    アクティブターミネータ用に2.85Vを生成する回路については、アクティブターミネータ用の110Ωの集合抵抗の入手性が悪いのと、そもそもパッシブターミネータ(220/330Ω)で十分と判断して実装していません。

    2.85VのLDOと入力&出力コンデンサを実装すれば集合抵抗に2.85Vを供給出来るようにしています。

    返信
  2. fes 投稿作成者

    あと、3ピンジャンパの下に2つほど部品が未実装となっているスルーホールがありますが、こちらはシールドからSCSIバスにターミネータ用の5Vを供給するために設けています(ダイオードとヒューズを実装)

    こちらもX68000に内蔵するに当たっては不要と考えて実装していません(SCSIバスへの5V供給は底基板からも行われるので)

    返信
  3. fes 投稿作成者

    追加で。
    50ピンモデルを購入された方から質問がありましたので展開致します。

    拙作26ピンケーブル、およびSHARP純正内蔵SCSIケーブル以外のケーブルを使用していてX68000本体のHD BUSYを点灯させたい場合は、JP2の真ん中のピンがLEDピンとなっていますのでここから信号を取得してください。むろんこの信号はJP1の設定(Loで点灯/Hiで点灯)の影響を受けますのでJP1は適切に設定してください

    例として X68030の内蔵SCSI端子(2mmピッチの40ピン)の場合、4ピンがLED信号となっていますので、これをなんとかしてJP2の真ん中に直結して下さい。

    なおJP1やJP2で使用しているピンは2mmピッチの細いピンですので、いわゆるQIコネクタはささりません。ミニQIコネクタ(共立)とか信号伝達コネクタ小型タイプ(千石)を使うか、やや強引ですがJSTのPHコネクタが利用可能です。

    20p⇔26p変換アダプタみたいな感じで、40ピン(2mm)⇔26ピン変換アダプタとか作ったら需要あるんですかね?X68030専用になりますが。

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  4. fes 投稿作成者

    40p (2mm) ⇔ 26p 変換アダプタと、40p (2mm) ⇔ 50p 変換アダプタの線だけ引いてみるか…
    製造は… そんなに需要があるとも思えないので、なんか別の基板を製造することがあったらついでに一緒に作るかもしれません(送料が結構効いてくるので)

    返信
  5. fes 投稿作成者

    購入された方から質問がありましたので。

    26ピンモデルの場合は50ピンコネクタが、50ピンモデルの場合は26ピンコネクタがそれぞれ未実装ですが、コネクタだけ別途入手してはんだ付けすれば26ピンコネクタと50ピンコネクタの両方を排他で使用可能です。

    2021-12-24更新
    現在使用している基板はコネクタを両方実装する事は出来ません(26ピンコネクタと50ピンコネクタのパターン位置を近づけたので干渉してどちらか片方しか実装出来ません)詳細は本文をご覧下さい

    返信

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